シャンプーは髪を洗うものと思っていませんか?「洗髪」という言葉もあり、髪を洗うもので間違いはありませんが、シャンプーは頭皮を洗うものです。前回もお話しましたが、シャンプーの語源はインドで行われていた頭皮のマッサージ、『champo』からきています。
正しいシャンプーとは、頭皮を洗う事なのです。シャンプーを髪を洗うものだと思われている方は意外と多くいます。そしてシャンプーの仕方によっては髪を痛めてしまっているかもしれません。今回は正しいシャンプーの仕方をご紹介します。
1.シャンプーとは頭皮マッサージ
シャンプーの一番の役割は、頭皮に溜まった皮脂や老廃物などの汚れを洗い流すことです。シャンプーで髪を洗おうとすると、指や爪の刺激、髪同士の摩擦などでダメージの原因となってしまいます。
髪についた汚れは、すすぎや、シャンプーの泡が付着するだけでほとんど洗い流れていきます。“髪を洗う”ではなく、“頭皮をマッサージする”ことを意識してみてください。頭部の筋肉がほぐれ、血行が良くなり、髪も健康になっていきます。
2.シャンプーの仕方
シャンプーはシャンプーをつける前に7割終わっていると言われるほど、シャンプー剤をつける前までの工程が重要です。髪を痛めず、頭皮の汚れを落とすことを意識してください。
①ブラッシング
ブラッシングの目的は「髪の汚れを取る」、「髪の絡まりを解く」ことです。皮脂や埃などの汚れを浮き上がらせ、抜け毛も取り除きます。髪は濡れると絡まりやすくなるので、濡らす前にほどいておきましょう。ブラシの根元にクッションが付いている柘植を使った木製クッションブラシがお勧めです。
毛先から髪をとかし、最後は頭皮をマッサージするようにとかすことで頭皮が刺激され、血行促進につながります。ですが、粘度の高いワックスやハードスプレーなどのスタイリング剤をつけている場合はブラッシングをしないでください。髪の痛みに直接つながります。
②予洗い(すすぎ)
整髪料をつけている場合はある程度すすいだうえでプレシャンプーをお勧めしますが、つけていない場合はお湯でほとんどの汚れは落とせます。36~38度のお湯で1~2分、ゆっくり時間をかけて、シャワーヘッドを頭皮に当て、頭皮をしっかりと濡らしてください。
お湯の温度が高すぎると、頭皮が乾燥しやすくなり、頭皮トラブルにつながります。この段階でしっかり汚れを落とすことにより泡立ちが良くなり余分なシャンプーを使わなくて済みますし、時間をかけてすすぐことにより髪が十分な水を含み柔らかくなることで過剰な摩擦を抑えることができます。
・プレシャンプー
充分なすすぎをすれば1回のシャンプーで済みますが、整髪料などをつけている場合はプレシャンプーをしましょう。この際に使用するシャンプーはクレンジング系のシャンプーを使用します。育毛を気にしている方や頭皮がオイリーな方は地肌から洗いましょう。そうすることで皮脂や毛穴の汚れを浮かし落としやすくなります。
オイリー肌以外の方は頭皮をあまり洗わず、髪を念入りに洗います。この時に頭皮を洗いすぎると必要なうるおいまで流してしまい乾燥肌になったり、逆にオイリー肌になったりするので注意が必要です。一言でクレンジングシャンプーといっても多種多様なものがあります。あまりにも洗浄成分が強すぎるものは避けて、自分に合った適度な洗浄力を持つものを探してみてください。
③シャンプー
シャンプーには適正量があります。
ショート | ボブ | ミディアム | ロング |
半~1プッシュ | 1プッシュ | 1~2プッシュ | 2プッシュ |
ブラッシングとすすぎをしっかりすることで汚れが落ち、泡立ちやすくなります。シャンプーが適正量より少ない量ですむので経済的です。
シャンプーを手に取り泡立てます。
ネットなどを使わなくても、これぐらい泡立っていればOKです。シャンプーの泡には、髪の隅々にまで界面活性剤(洗浄剤)を届ける効果と、髪同士のクッションになり、摩擦を和らげる効果があります。泡立ちが少ないと、汚れの洗い残しが頭皮に溜まったり、髪のダメージにつながります。
指の腹を使って空気を含ませるように泡立てます。十分に泡立ったら、生え際から頭頂部へ向かって洗っていきます。例えば、襟足から頭頂部に向かって、額の生え際から頭頂部へ向かって、耳の上から頭頂部へ向かって円を描く様に、指の腹で優しくマッサージしてください。
髪の汚れは泡(界面活性剤)が髪に付いていれば落ちてしまいます。手櫛で梳くようにして洗い、過剰な摩擦が起きないようにしましょう。髪に負担をかけずに頭皮をマッサージすることを心がけてください
④泡パック
『Rintorシャンプー』では泡パックを推奨しています。PPT系界面活性剤を主配合しているものは泡パックがおススメです!PPT系界面活性剤は髪を補修してくれる界面活性剤です。
普通のシャンプーでは界面活性剤の刺激が強く、髪のダメージにつながります。『Rintor』は、低刺激で、髪を補修する効果のある界面活性剤からできているので、髪を泡パックすることで毛髪内部と頭皮に栄養が行き届き、違いを実感していただけます。
⑤すすぎ
3~5分、時間をかけてしっかりとすすぎます。シャンプーが頭皮に残ってしまうと老廃物になり、毛穴などにつまり頭皮トラブルの原因になります。洗う時のようにマッサージしながら洗い流しましょう。
シャワーヘッドをマッサージしている指に近づけるようにすると泡が流れやすくなります。耳の後ろから後頭部は髪が重なっているので、シャワーヘッドを頭皮に直接つけるようにして、しっかりと頭皮についたシャンプーを洗い流してください。
3.お気に入りのシャンプーを探すために
ほとんどの方が毎日シャンプーをしていますが、ブラッシング、すすぎ、シャンプー、これらを丁寧にすることで髪と頭皮の健康を保ちやすくなります。毎日のシャンプーを楽しくするために、お気に入りのシャンプーを探してみてはいかがでしょうか?
今使われているシャンプーはお気に入りのシャンプーだと思いますが、ハイエンドなシャンプー以外は長期間の連続使用は避けた方が良いでしょう。できればお気に入りのシャンプーを3か月ほど使い、試してみたいシャンプーなどを1か月ほど使うのがお勧めです。試してみたシャンプーが余ってしまっても、1年程度は十分使えますので気分転換などの機会に使えばもったいなくはないと思います。
4.使い始めは良かったのに・・・
いつものシャンプーを使っているのに髪や頭皮のコンディションが悪くなってきたという経験がある方は多いと思います。これは同じ「シャンプー」=「界面活性剤」+「シリコンなどの補助剤」を使い続けているためです。
特にシリコンが多く配合されているシャンプーでは、シャンプーをするたび髪にシリコンが積層(積み重なり厚みが出てきます)しやすくなります。シリコンは地肌には積層しませんが髪に吸着しやすく、シリコン同士でもくっつきやすいので積層が起きやすいのです。この積層したシリコンが普段のブラッシングやセットをするときなどにはがれてしまいます。この時にキューティクルまではがれてしまい、コンディションの悪化につながります。
もう一つの原因は「慣れ」です。新しいシャンプーを使い始めたときに髪のコンディションが良くなったと感じても、その状態が長期間続くと物足りなくなってきてしまいます。つまり効果を感じられなくなってくるのです。
シャンプーを変えたときに効果を実感できないと、それは良いシャンプーではないと思い、さらにシャンプーを変えてしまうことがあると思いますが、それは危険なことかもしれません。
なぜならほとんどの場合、今使っているシャンプーよりも「シリコンなどの補助剤」がさらに多く配合されていなければ新しいシャンプーを良いとは感じづらいからです。シットリ、サラサラ、ふわっと、などの質感を出すのはほとんどの場合シリコンなどの補助剤だからです。補助剤が強いほど後の反動も強くなるので気を付けてください。
まとめ
新しいシャンプーを探すときに試していただきたいのが交互に使う方法です。今使っているシャンプーを3回連続で使った後に新しいシャンプーを1回使います。これを2回繰り返して、次に今のシャンプー2回、新しいシャンプー1回、これも2回繰り返します。
このようにして徐々に新しいシャンプーの回数を増やしていき、最後は今のシャンプー1回、新しいシャンプー3回を2回繰り返し、以後は新しいシャンプーだけにします。そうすることで新しいシャンプーを違和感なく使えますし新しいシャンプーの本当の質感を実感できると思います。
自分に合ったシャンプーを見つけ、正しいシャンプーの仕方を実践することで少しずつですが、確実に髪は綺麗になっていきます。正しいシャンプーで頭皮と髪を美しく保ちましょう。