髪のプロが教えるシャンプー選びのポイント!見るのはここ!!

Posted by KinositaTakahiro on

ドラックストアや美容室、いろいろなところに数多くのシャンプーが並んでいます。じつは日本で販売されているシャンプーの種類は1万を超えています。

1万を超えるシャンプーの中から自分に合ったシャンプーを見つけるのはとても大変ですよね。今回はシャンプーの主成分である界面活性剤(洗浄成分)をベースにあなたに合ったシャンプーを成分マニアの美容師がご紹介します。

 


1.シャンプーの中身


シャンプーのほとんどは水からできていますが、「シャンプーの良し悪しは界面活性剤で決まる!」と言われるぐらい界面活性剤は重要な成分です。

アミノ酸系や高級アルコール系など聞いたことがあると思います。これが界面活性剤の種類で、ひとつのシャンプーに3~6種類ほどブレンドされています。残りは添加成分や防腐剤、香料などが配合されています。

 

シャンプー成分

シャンプーを選ぶ時に注目するポイントは、裏に記載されている全成分です!1番はじめに「水」が書かれていると思います。水の後に記載されている3~6つの成分が界面活性剤です。

配合量の多い順に記載されているので、最初の2つの界面活性剤を見てください。これを見るだけでどの系統のシャンプーかわかります。

 

2.シャンプーの種類


シャンプーは使用されている界面活性剤の種類と配合量によって種類分けされますが、大きく分けて「高級アルコール系」「石鹸系」「アミノ酸系」「ベタイン系」の4種類があります。

界面活性剤分布

・高級アルコール系シャンプーの特徴


シャンプーで最も使われている界面活性剤。泡立ちがよく洗浄力・脱脂力・殺菌力が強く、髪や皮膚への刺激も強いです。
成分表記(ラウリル硫酸Na・ラウレス硫酸Naなど)

 メリット
原価が安いので安価なシャンプーが作れる。
脱脂力・洗浄力が強いのでハードな整髪料も簡単に落とせる。
皮脂汚れもさっぱり落とせる。

 デメリット
フケやかゆみが悪化することがある。
髪のダメージが進んでしまうことがある。
パーマやカラーが落ちやすくなる。

 

・石けん系シャンプー


石けんを主成分としたシャンプー。洗浄力は強いですが、低刺激で環境にいいです。
成分表記(石ケン素地・カリ石ケン素地・脂肪酸Na・脂肪酸K など)

メリット
洗浄力・脱脂力が強いので汚れが簡単に落とせる。
刺激が弱いので頭皮やお肌の弱い方でも使える。
生分解性が高いので環境にやさしい。
価格が安い。

 メリット
アルカリ性なのでキューティクルが開いてしまいキシキシした手触りになる。
硬水で流すと(石けんカス)ができ、それが髪に付着すると手触りが悪化してしまう。
長期間使用するとキューティクルの接着剤が壊れてしまう。

 石けん

 

 ・アミノ酸系シャンプー


アミノ酸系界面活性剤をメインに配合したシャンプー。皮膚や髪を構成するアミノ酸と同じ成分からできており、洗浄力もマイルドです。
成分表記(ココイルグルタミン酸Na・ラウロイルメチルアラニンNa・ココイルメチルタウリンNa など)

メリット
洗浄力がマイルドなため髪や頭皮に余分な負担をかけないで洗い上げる。
必要な皮脂や潤いを残せるので乾燥しづらい。
カサカサしたフケが出るなどの乾燥による頭皮トラブルを防ぐことができる。
パーマやカラーが落ちにくい。

 デメリット
洗浄力が弱いため大量の皮脂や整髪料を落としきれない。
洗い上りがシットリするものが多いためさっぱり感がない。
泡立ちがよくない。
価格が少し高い。

 

・ベタイン系シャンプー


ベタイン単体で使用は珍しく他の界面活性剤と組み合わされて使用されるが、他の界面活性剤の働きをマイルドにする。両性界面活性剤でかなり低刺激。植物由来で生分解性があります。
成分表記(ラウラミドプロピルベタイン・コカミドプロピルベタイン・ココアンホ酢酸Na) 

メリット
刺激がかなり少なくベビーシャンプーの多くがベタイン系。
かなり洗浄力がマイルドなので頭皮と髪に負担がない。
シットリと洗いあがる。

 デメリット
少し皮脂汚れが多いと落としきれない。
泡立ちがよくない。
少し価格が高い。

 オーガニック

ここまで一般的なシャンプー4系統の説明をしてきましが、実はもう一つシャンプーの界面活性剤として最高峰のものがあります。

それがタンパク質系界面活性剤(PPT系界面活性剤)です。この界面活性剤はごく一部のシャンプーにしか使われていませんが非常に性能の良い界面活性剤です。

 

・タンパク質(PPT)系シャンプー


タンパク質(PPT)系の界面活性剤は、髪と同じタンパク質成分で形成されコラーゲン、ケラチン、シルクなどを原料に作られています。保湿力が高くしっとり洗いあがります。
成分表記(ココイル加水分解コラーゲンNa・ラウロイル加水分解シルクNa・ココイル加水分解ケラチンK)

メリット
シャンプーで髪のダメージケアができるのでリンス・コンディショナーがいらない。
低刺激でベビーシャンプーに使われることもある。
キューティクルの保護。
パーマ・ヘアカラーの持ちがよくなる。

 デメリット
泡立ちがよくない。
タンパク質を原料にしているので肌に合わない方もいる。
原料が高価なため製品価格がかなり高価になる。

 

3.シャンプー選びのポイント


シャンプーを選ぶ時、見るポイントはじつは簡単なんです。見るべきところは界面活性剤!シャンプーに配合されている界面活性剤を見て、自分に合ったものを選びましょう。頭皮トラブルや髪のダメージなど、自分が気になるポイントにしっかり対応する界面活性剤を選んでください。

シャンプー選びポイント

・頭皮の状態から選ぶ


脂性肌・・・高級アルコール系、石鹸系

乾燥肌・・・PPT系、ベタイン系、アミノ酸系

 脂性肌の方は、洗浄力がある高級アルコール系や石鹸系がおすすめです。ベタイン系ではしっかりと汚れを落としきれません。高級アルコール系でも、洗浄力の強すぎるものは必要以上に頭皮の油分を取ってしまうので気をつけてください。 

 

・髪のダメージから選ぶ


ダメージがかなりある・・・PPT系、ベタイン系

ダメージがある・・・PPT系、アミノ酸系

ダメージがない・・・高級アルコール系、石鹸系、アミノ酸系、PPT系

 ダメージがある髪は水に濡れるだけで中の栄養が抜け出ていきます。洗浄力の強いものを使うほど栄養が流れ落ちやすくなるので、できるだけ優しい洗浄力の物を使いましょう。

 

・髪質で選ぶ


剛毛(シットリさせたい)・・・ベタイン系、アミノ酸系、PPT系

普通毛(サラッとさせたい)・・・PPT系、アミノ酸系

猫っ毛(フワッとさせたい)・・・石鹼系、アミノ酸系、PPT系(ケラチンを主に配合したもの)

 

髪質に関しては皆さんが自分の髪質は「こうだ」と思っていても実際は違うことも多いので、ここではどういう仕上がりになりたいかでお勧めしています。仕上がりに関してはトリートメントを変えるよりシャンプーを変えたほうが自分好みの仕上がりになりやすいので試してみてください。

 女性髪

 

・頭皮トラブルがある場合


頭皮トラブルがある場合はベタイン系やアミノ酸系など、刺激の弱いものを選びましょう。

 

・カラーやパーマをしている場合


カラーやパーマをされている場合、洗浄力の強いものを使うとカラーの抜け落ちが早くなったり、パーマの垂れが早くなります。PPT系やベタイン系など、できるだけ優しいものを使うことで持ちを良くします。

 

4.プロが教える正しいシャンプーの選び方


 冒頭でお伝えしましたが、シャンプーは3~6種類ほどの界面活性剤がブレンドされて作られています。アミノ酸系シャンプーと言っても、ベタイン系や高級アルコール系などの界面活性剤がブレンドされているものがほとんどです。低刺激のものはどうしても洗浄力や泡立ちが悪くなります。

それぞれのメリット、デメリットを考えバランスよく組み合わせることでより良いシャンプーを作っているのです。ご自分の髪質・ダメージ・仕上がりの好みなどによって適した界面活性剤がありますので、シャンプーを購入するときは面倒でも裏面の成分表示でそのシャンプーの特性を予想してから購入してください。

 

まとめ


今回はシャンプーの要である界面活性剤についてお話してきました。星の数ほどあるシャンプーの中からご自分に合うシャンプーを見つけ出すために、ぜひ界面活性剤に注目してみてください。

そして予算の許す限り高品質なシャンプーを選んでください。月に一度、美容室でトリートメントをするくらいならその予算を自宅のシャンプーに回してください。半年後には今よりきれいな髪になっているはずです。

最後に一つお知らせさせてください。
私が開発にかかわったRintorシャンプーはPPT系界面活性剤を主配合していますが、アミノ酸系やベタイン系の界面活性剤を配合してバランスを取り、ほぼすべての方に対応できる処方になっています。

界面活性剤自体に保湿力がありますのでシットリよりの仕上がりになりますが、猫っ毛の方が使われても毛髪自体がしっかりしてきますのでペタンとならずにフワッと仕上がります。一度お試しください。

 

 

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